ハグフレンド


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「どうする、明日から?」


卒業式を明日に控えたまだ寒い日に、あたしと夏樹くんはふたりで教室にいた。


ミュージシャンになる(らしい)夏樹くんは上京してバンド活動に励むらしい。

あたしは、地元の国公立大学に推薦合格を果たしている。



「離れるね」


「じゃあ、終わりだね、ハグフレンド」


妙にあっさりとしていた。



高2から1年近く毎日のようにハグして、そのたびに、お互いの体温と匂いに安心した。


そうやって、一日一日を越えてきた。