雨の日の朝は、濡れた髪の毛から、あたしの肩に水滴がしたたりおちた。 部活帰りは、汗と制汗剤の匂いが混じって、変な気持ちがした。 そのたびに、あたしも夏樹くんをぎゅっと抱き締めた。 笑ってるような泣いてるような変な顔で、 夏樹くんの肩に顔をうずめていた。 春が過ぎた。 夏が過ぎた。 秋が過ぎた。 もう一度、春が来ようとしていた。 ****