次の日。

私は少しうずうずしながら登校。

…あの人、同じクラスって本当かな?

んー。わかるはずだけどなぁ…
あんなに、目がいっちゃうなら。
何かの間違え…?

ガラッと教室を入ると
ほとんどの人がすでにいた。

うわー。
この時間じゃ遅いのかぁ〜。
まぁ、初めだし、早いも同然か。

自分の席に着いたとたんに
彩乃が話しかけて来た。

「悠!おはよ!」
「おぉ、おはよ!」

私は挨拶をした後、キョロキョロと
教室を見渡した。

…いないな。

…この中で顔が見えないって言ったら、
1番後ろで寝ているあの人か。

悠は昨日の人物を思い出す。

あの人なのかな?
まぁ、そんな気もするし、
しない気もするし…

と考えている時に寝ていた人は
ムクっと顔を上げた。

「あ。」

思わず声を出してしまった。

「…どしたの?悠」
「うっ、ううん!なんでもない!」

すらっとした腕、でもちゃんと筋肉が
ある。
目は細く、若干のつり目。

…昨日の。
あの人だ。

中学の頃、身長が高く、すらっと
している人がいなかったせいか、
目がいってしまう。

…珍しいだけなのかな?

目も細くて、男の子って感じがする。
見た目は、すごく真面目そう。

落ち着いている。

あの人がバドミントンを
しているように見えない。

やっぱり、気になる。


今日は授業があり、めんどくさい
時間も終わり放課後になった。

…今日もいこっと。

賑わう体育館に行くと、やはり
その姿はあった。

今日もやってる…。

本当にバドミントンが似合う人。
かっこいいなって思ってしまう。

そういえば、あの人の声を
聞いたことがないな。
今日も喋ってなかったし。

「あ!悠ちゃん!」
「乙先輩!こんにちは」

乙は悠のとこに寄って来て話しかけた。

「乙先輩だって!聞いた?智樹!」
「はいはい、聞いたよ」

「そういえば、智樹自己紹介してないよね?悠ちゃんに!」

あ。そういえば、“智樹”さんの名字を
知らないな。

「あー。そうだったよね!俺、成瀬 智樹(なるせ ともき)。よろしく」

「よろしくお願いします」

悠はぺこりとお辞儀をした。

「そういえば、あの1年君と話した?」
「い、いえ。」

席も遠いし、話す機会もないから
全く話せなかった。

…そして自分。
人見知り…

「まっててね!」
「え?」

乙はスタスタとあの人のところへ向かった。

そして、2人ともがこちらへと
歩いてくる。

「この子が津野矢 悠ちゃん!栗野くんと同じクラスだよ!」

と、乙は自己紹介をしてくれた。

「…ども。栗野 雅也(くりの まさや)です。」
「…津野矢 悠です。」

…声、意外に高いな。
思っていた以上に高い。

「よし!自己紹介も終わったことだし練習!練習!」

…決めた…

「あっ!あの!」
「んー?どうした?悠ちゃん」
「わ、私!入部します!」

乙はにこりと笑っていた。

「…だとおもった!明日からおいで」

「は、はいっ!」


こうして私はバドミントン部の
一員としてスタートすることになった。