午前3時、先生のカオ。






「な、つき……?」


 怖い。

 なにか、悪い予感がする。


 分かっている。

 本当はその予感がなにか、分かっている。


 だけど、言えない。

 言いたくない。


 でも、でも………。



「お姉ちゃん、大好きだよ。だから、」


 夏希があたしに笑いかけた後、手すりに足をかけた。



「なっ」


 夏希、待って。

 待って、お願いだから。



 でも、声が、出ない。

 怖くて、声が、言葉が。



 どうしよう。止めないと。

 でも、でも、声が、出てくれない。



 必死に手を伸ばすが、夏希には届かない。


 怖くて腰が抜け、その場に座り込んでしまった。

 だから余計に、届かない。


 ダメ。


 夏希が手すりの上に立った。


 止めて。

 ダメだよ、夏希。


 少し風が強くなる。

 夏希の身体が、ワンピースの裾が、揺れる。