みんなみんな、そんな気はないのだ。


 だけど、小さい比較が積もり積もっていく内に、あたしの中で大きな爆弾となっていた。






 ……なのに、夏希は。



「お姉ちゃーんっ♪宿題みーせて!」


 あたしにぎゅっと抱きついてくる夏希。

 あたしの気持ちなんて気にもしない。




「またぁ?あんた、来年受験よ?そんなんでどうすんの」


「えぇー、そんな先の話どうでもいいいよぉ。ねえ、お母さん?」



 夏希が天然でやる、これ。

 誰かに賛同を求め、あたしをムカつかせるという特技。


「そうね……まだ早いわよ、千夏」


 お母さんも、あたしのことなんて気にもせずそう軽く言うのだ。


 いっつもそう。




 お母さん、気付いてる?


 いつも意見が正反対のあたしと夏希だよ?

 いつも夏希の肩を持つってことは、あたしの意見や考えを否定してるってことだよね?



 ねえ、それがいつも悲しいんだよ。




 ……また、こうやって爆弾が大きくなっていく。