あたしには、『夏希』という双子の妹がいた。
千夏、中学2年生。
同じく、
夏希、中学2年生。
その頃のあたしといえば、学級委員をしていてまあまあ目立つ分類に入る普通の中学生だった。
一方夏希は、学年一可愛いと持てはやされ、学校中の人気者だった。
……昔から、そうだった。
あたしは真面目さと努力でなんとか目立っていたけれど、夏希は勉強も出来ないし鈍臭いのに何故か目立っていた。
平々凡々な体型と顔のあたしと、背が高くて可愛い夏希。
少し静かなあたしと、明るく人懐こい夏希。
こうなるのも当たり前といえば、当たり前。
だけど年頃のあたしには、それが辛くて悔しくてたまらなかった。
いつも比較されて。
親からも教師からも友達からも。
どれだけ頑張っても突きつけられる現実は、とてつもなく痛いものだった。