だから、だ。


 その言葉はあたしを苦しませる。




「夏希に、何度もごめんって謝ったの……」


「うん」


「でも、許して、くれなかった」


「……うん」


「へ、んな話だけど、このままじゃあたし、死んじゃ、う気がして………」



 怖かった。


 心が弱っているあたしにはもう、生きる気持ちなんて本当に小さくて。

 ほんの少しのことで、少し道をずれてしまったら、もう二度と戻ってこれない気がした。


 だから、誰かにこの世界とあたしを繋げて欲しかったんだ。



 分かってる。


 最低なあたしには、生きる権利がないことを。

 生きたいと願ってはいけないことを。


 だけど、例えこの願いが許されないとしても、あたしは死にたくなんてない。

 生きたいわけじゃないけど、死ぬ勇気なんて持ち合わせていなくて。



 ただ、そんな自分が怖かったんだ。


 矛盾した気持ちの中で、もし〝死ぬ〟という選択肢が勝ってしまったら……

 そう思うだけで、怖くて悲しくて辛くて嫌で、仕方なかった。



「あ、たし……もう無理だよぉ」


 もう、独りじゃこの苦しみと戦えない。

 耐えきれない。