午前3時、先生のカオ。






 玲汰先生の驚いたような声が聴こえる。

 きっといきなり来たあたしに困惑してるんだろう。


 だけど、それでももう、抑えきれない思いが溢れていく。




「夏希が、夏希がっ……」


 泣きながら玲汰先生に訴える。


 玲汰先生はなにかに勘付いたのか、あたしを軽く抱きしめた。



「……分かったから、とりあえず座れ」


 玲汰先生はそう言うと、あたしを抱きしめている腕を離し、泣きじゃくるあたしの背中を擦りながらソファへと誘う。


 あたしは玲汰先生の言うとおり、ソファに座った。


 肩を揺らしながら泣くあたしに、玲汰先生はティッシュを渡した。

 あたしはそれを受け取ったけど、それだけだった。



 玲汰先生に、なのかは分からないけれど泣きながら話す。


「夏希がね、夏希が……」


「うん、それは分かったから。で、どうしたんだよ?」



 玲汰先生はあたしの隣にゆっくりと座った。



「ゆ、めに出てきたの……」


「夢?」


「うん……あたしのこと、恨んでた」


『最低。』
『死んで。』
『謝って。』
『苦しんで。』
『消えて。』

 夢の中だったとしても、あれはきっと夏希の本心なんだと思う。