夏希を避けるため、手で顔を覆った。


 だけど、頭上から容赦なく痛い言葉が降ってくる。




「許さないよ。だって、お姉ちゃんがあたしを殺したんだから。お姉ちゃん、最低だよ」




 お願い、もうやめて……っ!





 心の中でそう、叫んだ。

 でも。



「お姉ちゃんなんて、死んじゃえばいいのに」


 痛い、痛い。

 胸が、痛くて仕方ない。



「ごめん、ごめんなさい」


「許さない。許さないから」



 あたしの、せい。

 あの頃のことをあたしは……


「お姉ちゃん、貴方は幸せになってはいけない人だよ。一生、あたしにしたことを後悔して。一生苦しみ続けて」



 突き刺さる、突き刺さる。


 夏希の言葉が、胸を、心を、抉った。





「お姉ちゃん、死んで。この世界から消えてよ。ずるいよ。ずるい。あたしは生きられないのに。」


「や、めて……」


 涙が溢れて、零れて、落ちて、止まらない。