なんで、あの時あんなことを言ってしまったんだろう。



「……っ」


 涙が、頬を伝った。


 悲しい?

 苦しい?

 辛い?

 ムカつく?


 もう、なんなのか分からない感情が沢山混じって、あたしの心はぐちゃぐちゃだ。



 どうしたらいいのか分からなくなったあたしは、その場で崩れるように座り込んだ。

 その時、むき出しの膝に偶然そこにあった石が刺さった。


 痛い、はずなのに。

 このまま死んじゃいたいって思ってしまった。

 このまま消えることができたらって。


 石で死ねるわけ、ないのに。

 石が膝に刺さって死ぬなんて、無理なのに。


 それでも、切に願った。


 ねえ、誰か。

 誰か、誰か。


 誰でもいいから。



「あたしを……殺して」


 この、最低なあたしを。

 この、生きる価値のないあたしを。

 この、どうしようもないあたしを。


 この、綺麗な世界から

 この、薄汚れた世界から



 消して、くれませんか。