驚いた。

 気づかなかった。



 俺は、人の目が怖いと思ってたこと。

 自分をキャラを作ってでも誰かに受け入れてほしかったこと。



 面倒臭いの一言で済ましてたのに。

 本当は違ったんだって、あの時初めて気づいた。



 そして、避けてる。

 俺は、あの日から、避けてる。


 あまりにも的確な林田の言葉が、俺の弱い心に突き刺さった。












 それから。


 一日泊まらしただけで、林田にはその日は帰ってもらった。

 でも何故か、こいつは毎日俺の家にやってくる。


 6時には帰らすけれど、どうやら俺に懐いたようで。




 やべぇ、本格的に面倒臭くなってきた。

 もうあだ名付けるとか言ってる時点で、教師と生徒の関係を無視してしまってると思う。


 いや、別に学校でワイワイしながら付けられるあだ名くらいはいい。

 でも、担任の家に毎日やって来る奴が付けるあだ名だと、誰だって可笑しく思うだろう。


 だって、そいつだけが呼ぶあだ名だし。