刑事さんは席を立つと、どこかへ行ってしまった。




 それから、

 ……待ってるんだけど、刑事さんは帰ってこない。



「もう20分経ったー」


 そう呟いてみるけど、刑事さんはやっぱり帰ってこない。


 なにしてんだか。



「あーーー!」


 あたしは上に手を伸ばして、ぐったりとする。



 ……にしても、あれはきつかったなぁ。


 なんて、思い出して辛くなる。

 忘れようと、目を瞑った。


 その時だった。



「おーい、先生来られたぞー」


 そんな声が聞こえたと思ったら、あたしの頭をなにか固いもので殴られた。



「ってー!」


 あたしは目をすぐに開けた。


 誰がしたのくらい分かる。

 刑事さんだ。



「なにすんすか!」


「いやぁー、寝てたから」


「寝てないし!」