「っ!?」
あたしはもう、驚くしかなかった。
あたしを呆れた様に見つめる先生が放った言葉が、あたしの頭をグルグルと廻っていた。
「俺はな、着替えてる間にいつものキャラを作るんだよ。なのにお前は……なんで邪魔すんのかな?」
先生はあたしを強く睨んだ。
あたしはなにも悪くないのに、つい焦ってしまう。
「だ、だって!先生、なにも言わなかったじゃんか!!」
「言ったよ、さっき。思い出せよ」
「は?……えっと」
あたしはゆっくりと記憶を辿る。
いつだ?
うーん……。
『俺、キャラ作りは準備から始めるタイプだから』
ふと、先生が着替えるために寝室に入る前に言った言葉を思い出した。
ああ、言ったな。なんて簡単に納得……できるはずがなく、あたしは、
「あんなの分かるわけないし!」
「あー、もう面倒くせぇ。あーあ、学校行く気失せた。お前のせいで」
嫌味ったらしく先生はそう言って、スーツの上着を脱いだ。
そして、怠そうにネクタイを緩めながらソファに座り込む。


