午前3時、先生のカオ。





 あたしは体の力を抜いて、ため息を吐いた。



 目を閉じて、昨日のことを考える。



 昨日のあたし、恥ずかしかったなぁ。

 いつもの自分と、180度変わっていたもん。



 いつも楽観的で、少しクールで。

 いつも適当に生きている、普通の女子高生だったのに。

 ただ少し冷たく見えるだけの、女子高生で。


 何処にでもいる、平凡な女子高生だったはず。

 普通の中の普通。



 ずっと、そんな嘘を吐き続けていたのに。

 ずっと、そんなキャラを演じていたのに。



 でも、隠すことができなかった。

 先生が昨日のこと全て、忘れていたらいいのに。









 また、思い出す。


 どれだけ目を逸らしても。

 どれだけ忘れようとしても。


 何度だって、思い出す。



 あの時、あたしが夏希にしたこと。

 あの時、両親に言われた言葉。


 全て、鮮明に覚えている。

 今も、苦しめている。