あたしは体の力を抜いて、ため息を吐いた。
目を閉じて、昨日のことを考える。
昨日のあたし、恥ずかしかったなぁ。
いつもの自分と、180度変わっていたもん。
いつも楽観的で、少しクールで。
いつも適当に生きている、普通の女子高生だったのに。
ただ少し冷たく見えるだけの、女子高生で。
何処にでもいる、平凡な女子高生だったはず。
普通の中の普通。
ずっと、そんな嘘を吐き続けていたのに。
ずっと、そんなキャラを演じていたのに。
でも、隠すことができなかった。
先生が昨日のこと全て、忘れていたらいいのに。
また、思い出す。
どれだけ目を逸らしても。
どれだけ忘れようとしても。
何度だって、思い出す。
あの時、あたしが夏希にしたこと。
あの時、両親に言われた言葉。
全て、鮮明に覚えている。
今も、苦しめている。


