午前3時、先生のカオ。





「えっ」



 そんな小さな声を出すのが精一杯なくらい、突然の出来事だった。


 伸ばした手が、ぐいっと突然伸びてきた大きなゴツゴツとした手に引っ張られて、あっという間に、あたしはバランスを崩してしまった。



「むふっ」


 すると、顔が平たいものにぶつかるように押し付けられ、一瞬にして身動きがとれない状況になった。




 つまり、先生に抱きしめられている……ということ。


 あたしの頭は先生にがっちりホールドされているし、背中も、もう片方の手で動けないようにされている。





「あ、え、ちょ……」


 あたしは慌てて、先生の胸をトントン叩く。


 すると、

「うぅーん……すぅ」


 先生、寝たよね……?

 一瞬起きかけたけど、寝たよね?



 あたしは、叩いていた手を止めた。




 ………どうしよう。


 この状態はちょっとヤバいし、離れたいけど……。

 そっと、先生の胸に顔を乗せたままの状態で、彼の顔を覗き見た。



 相変わらず綺麗な寝顔………なんて。



 これは、無理っぽいなぁ。