「あっ……」
リビングに入ってすぐ、あたしはソファに寝転がる影を見つけた。
ゆっくりと、その影に近づく。
「すぅ……」
微かに聴こえる寝息。
目を閉じているからか、長い睫毛がよく目立つ。
細く、すらっと通った鼻。
薄い、唇。
綺麗で整った顔はいつもと変わらないはずなのに、何故だろう。
こんなに幼く見えるのは。
「あ、」
そんな先生から少し目を離すと、あることにあたしは気づいた。
先生、布団被ってないじゃん……。
絶対寒いよね…。
そう思うと、罪悪感が湧いてきた。
だって、あたしがここに来たからこうなってるんだし。
教師って忙しいし、疲れるって聞いたことがある。
そう思うと、ソファで布団なしで寝させちゃったのは、本当にかわいそう。
「ごめん、なさい……」
あたしは先生にそう謝りながら、そっと手を伸ばした。
……無意識に。
何故か、手が先生に伸びていたんだ。
ーぐいっ


