午前3時、先生のカオ。






「あっ……」


 リビングに入ってすぐ、あたしはソファに寝転がる影を見つけた。


 ゆっくりと、その影に近づく。



「すぅ……」


 微かに聴こえる寝息。

 目を閉じているからか、長い睫毛がよく目立つ。



 細く、すらっと通った鼻。

 薄い、唇。


 綺麗で整った顔はいつもと変わらないはずなのに、何故だろう。

 こんなに幼く見えるのは。



「あ、」


 そんな先生から少し目を離すと、あることにあたしは気づいた。


 先生、布団被ってないじゃん……。

 絶対寒いよね…。


 そう思うと、罪悪感が湧いてきた。


 だって、あたしがここに来たからこうなってるんだし。


 教師って忙しいし、疲れるって聞いたことがある。

 そう思うと、ソファで布団なしで寝させちゃったのは、本当にかわいそう。




「ごめん、なさい……」


 あたしは先生にそう謝りながら、そっと手を伸ばした。


 ……無意識に。

 何故か、手が先生に伸びていたんだ。



 ーぐいっ