だから、放課後のチャイムが鳴ってすぐに、あたしは美和の元へ駆け寄った。





「ね、ねえ美和」


「………な、に」



 思い切って話しかけると、美和は一瞬驚いたような表情を見せ、目を逸らしながらそう言った。


 二人を包む、気まずい沈黙。

 そんなあたし達を不安そうに見つめるクラスメイト達の視線が、少し痛い。


 まあ、全然話さなかった二人が急に話し出すんだもの。

 驚くのも、心配するのも、当たり前のことだろう。





「あの、さ……話したいことが、あるんだけど」


「……分かった。あたしも、話したい」


 美和が何かを決意したように、今日初めてあたしと目を合わせる。

 そんな美和に少し驚いたが、あたしも真っ直ぐ美和の瞳を捉えた。















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 あたし達はその後、帰る仕度をして中庭へとやってきた。


 あたし達の身体を撫でる風は、晴れているのにとても冷たく、体がブルッと震える。