それが何か分からないけれど。
でも、その声があたしの涙腺を緩ませたのは確か。
少しだけ、安心した。
ずっと怯えているあたしを、
自分を責め続けるあたしを、
少しだけ、許してもいい気がした。
『大丈夫』
あたしが、聞きたかった言葉。
あたしが、心の底から聞きたかった言葉だ。
「うっ……ぐすっ」
もしも、もしも、
貴方を殺してしまったあたしを、
貴方が許してくれるなら、
あたしはきっと、楽になる。
けれど、貴方はこんなあたしを、
許してはくれないでしょう。
もう聞けない、貴方の声。
貴方の言葉も想いも。
あたしの耳に届くことはない。
貴方がしたかったこと。
あたしはきっと、毎日している。
〝生きること〟
それを奪ったのは、あたし。


