午前3時、先生のカオ。








「……今日、なんなの?夕飯」


 急に怖く……というより恥ずかしくなったあたしは、そう口にした。




「ああ……カレーよ。……千夏も、一緒に食べる?」


 お母さんは少し戸惑い気味にそう言う。


 お父さんはあたしを見つめているだけだった。

 だけど焦っているのか、スプーンを持つ手が少し震えていた。



「うん……」


「じゃ、じゃあ今からよそってくるから。そこに座ってて」



 お母さんは少し早口でそう言うと、キッチンへと消えて行った。

 あたしはいつも通り……なのかは分からないけれど、昔から座っていた席に座る。


 椅子は、昔から変わらず4つ。

 今日もお母さんとお父さんは二人だけでも隣同士で座っていた。


 あたしと夏希の席は空けたままだった。




「……はい」


「ありがとう……」



 しばらくして、お母さんがカレーを持ってきてくれた。


 三人で食卓を囲むのは、本当に久しぶりだ。




 だけど、あたしの心は緊張でいっぱいだった。


 いつ話そうか。

 それだけを考えていて。


 みんなどこかぎこちなくて誰一人喋らない静かな食卓では、話すタイミングが中々見つからない。

 というよりは、タイミング自体がない。