午前3時、先生のカオ。





 先生に、抱きしめられてしまった。




 あまりに突然のことで、驚いてしまう。


 だって、まさか抱きしめられるなんて思ってもいなかったから。



 でも、先生の温もりに、


 何故か、もういいんだよって言われた気がした。

 全てを、許されたような感覚。


 今まで溜まっていた、

 悲しみが、苦しみが、想いが、

 涙となって、一気に溢れ出す。




 あの日、あの時、あたしは大切なものを失った。

 あの日、あの時、あたしのせいで、失ってしまった。


 写真に映る笑顔が、あたしを苦しめた。

 いつだって、いつだって。


「夏希(なつき)……っ」


 あたしは、先生の胸に顔を押し付けてぐっと唇を噛んだ。



 あの日からずっと、

 みんなの視線が、怖くて、怖くて仕方なかった。


 泣きじゃくる母と、あたしを叩いた父。

 二人から向けられるその目が、あたしをどうしようもなく苦しめた。


『お前は要らない』

『お前が殺したんだ』

『最低』


 その言葉を、あたしは忘れられない。


 何度も謝った。

 でも、貴方は戻っては来なかった。