玲汰先生はオムライスを食べながらそう言った。
あたしは驚いて、箸を持つ手を止める。
「えっ……」
「どうせなんか言いたいことがあるから来たんだろ?さっきから挙動不審だし」
玲汰先生は驚くあたしをよそに、箸を淡々と進めながらそう言った。
自分では上手くしていたつもりだったのに。
どうして気付かれたのだろう?
「な、なんで分かったの……?」
「言ったじゃん。挙動不審だって」
そんなに可笑しかったかな?
いつも通りだったはずなのに。
「そう……」
未だに頭の中が混乱しているあたしは、それしか言えなかった。
「ほら言えよ、早く。なんか可笑しいから気持ち悪いんだよ」
玲汰先生は何を言われるのか分かってないんだろう。
やっぱり、冷たい。
「……玲汰先生ってやっぱり酷い人だね」
「はっ?」
「最後ぐらい、優しくしてくれてもいいのに……」
「さい、ご?」
やっぱり玲汰先生は何を言われるのか分かっていなかったらしい。
あたしが言った〝最後〟という言葉を、驚いたように繰り返し聞いてきた。


