午前3時、先生のカオ。










「え?あ、本当だ……」



 玲汰先生は机に置いてある夕飯に気付きそう言うと、寝室にいつものように着替えに行った。






 玲汰先生を待っている間、あたしはずっと緊張していた。


 作り笑いには、どうやら気づかれていないみたいだ。

 さっきまでの笑顔が一瞬にして消え、今日どうやって伝えるかだけを考えていた。




「……ねえ、美味しい?」


「うん」


「本当の本当に?」


「うん」


「にしては全然こっち見ないじゃん。しかも無表情だし」


「元々だよ、この顔は」


「えーっ、いつも笑ってるじゃん。気持ち悪いくらいに」


「それ、学校だからだろ?ってか気持ち悪いってなんだよ」




 ご飯を食べながら、いつもと同じような会話をする。


 最初、あたしがいたことに戸惑っていた玲汰先生も、相変わらずの無表情で箸を進めていた。

 あたしもいつもと変わらない笑顔で喋っているが、脈は速まっていくばかり。



「あっ、これって最近出てきた芸人じゃん」



 あたしがテレビに出てきたお笑い芸人を見てそう口にした時、


「で?なに話に来たんだよ」