二人はトイレをするために来たのではないようで、女子トークに花を咲かせている。
どうやら、あたしがいることには気づいていないようだ。
「ねえ、やっぱあの噂……てか写真って本当なのかな?」
「さあ?あたしは居合わせたわけじゃないし分からないけど、本当なんじゃない?」
「でもさ、合成って手もあるよね」
「えー、そんなのむずいじゃん。そんな手の込んだこと、するかなぁ」
「えっ、知らないの?最近は簡単に出来るらしいよ、合成。学校携帯持ってきてOKだしさ、隠し撮りしたら、まあ出来るかも?」
「ふーん……そうなんだぁ」
二人の会話はやっぱり、そのことで持ちきりみたいだ。
確かに合成も出来るんだろうけど、あれは事実なんだよね……。
なんて思いながら聞いていると、
「ってかさ、今朝の美和ちゃん可笑しくなかった?」
ドキッと心臓が大きく跳ねた。
まさかの、美和が会話に出てきたからだ。
「美和ちゃん?なんで?」
「だってさ、あんなに仲良いのに千夏ちゃんのこと無視したじゃん」
「ああ……」
「美和ちゃんと千夏ちゃんって幼馴染なんでしょ?あたしだったら噂とか関係ない!って言うのになぁ……」
胸が、痛くなった。


