午前3時、先生のカオ。







 二人はトイレをするために来たのではないようで、女子トークに花を咲かせている。


 どうやら、あたしがいることには気づいていないようだ。





「ねえ、やっぱあの噂……てか写真って本当なのかな?」


「さあ?あたしは居合わせたわけじゃないし分からないけど、本当なんじゃない?」


「でもさ、合成って手もあるよね」


「えー、そんなのむずいじゃん。そんな手の込んだこと、するかなぁ」


「えっ、知らないの?最近は簡単に出来るらしいよ、合成。学校携帯持ってきてOKだしさ、隠し撮りしたら、まあ出来るかも?」


「ふーん……そうなんだぁ」



 二人の会話はやっぱり、そのことで持ちきりみたいだ。



 確かに合成も出来るんだろうけど、あれは事実なんだよね……。


 なんて思いながら聞いていると、

「ってかさ、今朝の美和ちゃん可笑しくなかった?」



 ドキッと心臓が大きく跳ねた。

 まさかの、美和が会話に出てきたからだ。



「美和ちゃん?なんで?」


「だってさ、あんなに仲良いのに千夏ちゃんのこと無視したじゃん」


「ああ……」


「美和ちゃんと千夏ちゃんって幼馴染なんでしょ?あたしだったら噂とか関係ない!って言うのになぁ……」



 胸が、痛くなった。