ただ、溢れそうになる涙を止める。
なんで抱きついたのか。
それは、あたしにも分からない。
先生を見てたら、抱きついてしまった。
それだけ。
「うぅ……ぐすっ」
「…………」
あたしは我慢出来なくなって、泣き出す。
腕の力が抜ける。
だからか、先生は簡単にあたしを振り払った。
「……っく」
あたしは、恥ずかしいというか、悲しいというか、なんとも言えない気持ちになった。
涙を、両手で拭う。
きっと、先生はあたしを睨んでるんだろうな。
ごめんなさい。
でも、辛いよ……。
必死に涙を拭ってると、右手を先生に掴まれた。
「えっ……」
あたしは先生を見ようと、顔を上げようとする。
けど、顔を上げる前に、
ーーギュッ
「な、……」


