午前3時、先生のカオ。







 玲汰先生の家に行けないってことは、これから辛いことがあっても逃げる場所がなくなるってことだ。




 やっと気付いた。



 あの場所が。

 あの、何気なくいた場所が。

 あの時が。

 あの、何気なく流れていたひと時が。


 あたしの心の救いだった。

 あたしの心の癒しだった。

 あたしの、居場所だったんだ。




 なのに、なくなってしまう。


 あたしはまた、孤独という闇の中で生きるのだろうか。


 毎日毎日、ずっと後悔しながら。

 苦しみながら。

 生き続けるのだろうか。



 ……怖い。



 玲汰先生の家に通うようになる前までは、当たり前のことだったのに。

 辛くもなんともなかったのに。


 玲汰先生と一緒にいるようになったからだろうか。

 玲汰先生の、人の温かみに触れたからだろうか。


 また前みたいな日々が訪れるのかと思うと、怖くて仕方ない。



 やっぱり、世界は残酷だ。

 この世界に生まれてよかったって思わせてくれたこと、一度もないな。