あたしは驚いてつい、玲汰先生を見てしまう。



「……さ、あ?そ、それはどういう……」


 校長も思ってもいない返答に驚いたようで、戸惑いながら聞き返す。




 もしかして、ここに来てキャラを壊すの?


 なんて不安に思っていると、

「だって、身に覚えがないので、僕に聞かれましても……こんな変なものを作った人に聞いて下さいよ」

 玲汰先生は学校の時のキャラのまま、はっきりと噂を否定した。




「……は、はあ」


 校長は曖昧な返事を返す。


 そして眼鏡をクイッと持ち上げると、今度はあたしに、

「……で?林田さん、君も同意見か?」


「はい。……すっごい迷惑です。あたし、おじさんに興味はないので」



 あたしも玲汰先生を真似したつもりでそうはっきりと言った。


 これは、本心でもあるんだけどね。




「え、ちょっと待て。誰がおじさんなんだよ」


 玲汰先生は驚いたように、今まで堂々と立っていた姿勢を崩してあたしにそう問う。

 あたしは玲汰先生の顔を見ずに、

「確か、26歳でしょ?9歳も違うんだよ。おじさんだよ、おじさん」


「なっ!」


 玲汰先生が半分キレ気味にあたしに近づく。



 その時、

「あー、もう!やめてくれ!」