コンコンコンッとノックをすると、中から「入りなさい」という低い声が聞こえた。


 あたしは少し緊張しながら、校長室のドアを開ける。




「失礼します」


 中に入ると、真ん中にある校長専用の席に座っている校長と、隣で立っている教頭。

 入り口付近で立っている、学年主任。

 そして校長の前で立っている玲汰先生が、一斉にこちらを向いた。



 あたしはゆっくりと、玲汰先生の隣まで行った。






「……さて、お二人さん。これはどういうことか、説明してくれますか」


 ゆっくりと立ち上がった校長があたし達の目の前に出してきたのは、一枚の写真。

 掲示板に貼られていた、あたしと玲汰先生が抱き合う写真だ。



「それは……」


 思わず、言葉が詰まる。


 そういう関係ではないんだけど、抱き合っていることは事実なわけだし、あたしはどう言い訳をしようか必死に頭を回転させていた。


 ここに来るまでも考えていたけれど、どうしても浮かばない。




 すると、今隣にいて、学校では今日初めて会った玲汰先生が、ゆっくりと口を開く。






「……さあ?」