「……ねえ、君」


 写真を見つめ呆然と立っていると、後ろから誰かに呼ばれる。


 振り向くと、ニヤニヤと笑っている男子が数名いて。


「これってさぁ……本当なの?ねえ、どうやって落としたの?あ、向こうから誘ったのか?」

 そう言いながらヘラヘラと笑う男子をあたしはキツく睨んだ。



 確かに玲汰先生の家に通っているけど、怪しい関係とかじゃない。


 だからあたしはフンッと鼻を鳴らすように微笑むと、

「こんな嘘の写真を信じてるの?嬉しそうにからかってるけどさ、惨めなだけだよ?」

 と言ってやった。



 あたしだって、伊達に17年間も生きていないのだ。

 ムカついたら言い返すに決まっている。



 あたしのその言葉を聞いた男子たちは、

「んだよ、てめぇ……」

 と文句たっぷりにあたしを睨んだ後、逃げるように去って行った。



 あたしは去って行った男子たちを少しだけ見つめた後、すぐに写真へと視線を戻した。



 誰が、こんなこと……。

 思い当たる節が全然ないあたしは、驚くことしか出来ない。




「……もう、いいや。行こう」


 掲示板に貼ってある写真をそのまま残して、あたしはすぐ横の階段を上って行った。