ちょっとよろけたあたしは、急に泣きそうになった。
そんな扱いしなくてもいいじゃんか……。
なんて思うけど、これは関係ない。
分かんない。
なんであたし、泣きそうになってんだろう……。
先生の背中を見つめる。
大きくて、広い背中。
なんだろう、この気持ち。
体が、先生に引きつけられるように動く。
「……えーっと、あ、あった。………え」
先生の驚いた声が聞こえる。
「おい、なにして……っ」
先生は振り返ろうとする。
あたしは、両腕に力を込めた。
なんでだろう。
あたしにも、分からない。
なんであたし、
先生に抱きついてるんだろうか……。


