焦ってつい、そう言ってしまった。
「……素直だな。」
あたしの言葉に、先生は眉間にしわを寄せた。
「あ、ありがとうございます……」
「褒めてない」
「ですよねー……」
なんて言いながら、あたしは少し俯く。
「……手伝わないなら、ソファにでも座っといて。別に俺、毒とか入れないから」
「あ、うん……」
そりゃ、毒なんて入れないだろうけど。
あたしは一歩、足を下げた。
あたしが立ってるところは、冷蔵庫の前。
邪魔なのは分かるけど……。
足が、動かない。
「はぁ……うんって言っときながら、動いてねぇじゃん」
先生は呆れながら、あたしに近づく。
「…………」
「……ああ、はいはい。どいて」
先生はあたしを無理やり押しのけて、冷蔵庫を開けた。


