午前3時、先生のカオ。











「勝手に、むか、ついて。だから、あ、たし……」


 今から言おうとしていること。

 これを言ったら、引かれるかもしれない。


 怖い。

 怖くて怖くて仕方ない。


 だけど、言わなくてはいけない言葉なんだ。

 これ以上、逃げていたくない。







「夏希の、首を、し、めたのっ……」



 一生懸命絞り出すように言った言葉に、玲汰先生は驚いたりしなかった。


 何も口に出さなかったけれど、あたしを包む腕、温もりは全く変わらなくて。

 それが、玲汰先生の優しさなのだと思った。


 そのことに少し安心しながら、話を続ける。



「……あたしは、なつ、きに、暴言を、浴びせ、続け、たのっ……夏希を、いっぱいいっぱい傷つけた……」


「うん……」


「夏希の首を絞めた、手を、離しても……同じだった。きっ、と夏希は、悲し、かった、だろうな……でもね、あたしの、ことを……ヒック…最低な、あたしをっ……」


 嗚咽が止まらなくて、だけど一度溢れ出した想いも止まらなくて。



「大好き、だってっ……だいす、きって」


 夏希は何故、あたしを嫌わなかったのだろうか?

 〝最低〟って一言言ってくれたら、あたしだって少しは楽だったのに……。