午前3時、先生のカオ。








 玲汰先生はそう、話を切り出した。


 リビングには季節的に少し早いと思うけど暖房が効いていて、玲汰先生がこれ以上冷えることがないと、少し安心する。


 だからか、あたしは意外と簡単に話し出せた。




「……夢を、見たの」


「夢?……まさか、また?」


「うん……夏希の、夢」



 玲汰先生はあたしをじっと見つめて、あたしの話を聞く体勢に入る。




「でも、今日のはこの前とは違って」


「うん」


「あたしのことをね、すごく心配していたの」


「………?ああ」


 玲汰先生はその情景が思い浮かばないのか首を傾げながらも、必死に話を聞いてくれている。

 あたしは少しだけ目線を下げた。



「……この前は恨んでたの。でも、今回は正反対で」


「う、ん……」


「あたしのこと、大好きって……言ってた」



「……だったら、よくね?」


 玲汰先生はあたしが泣いていた理由を聞くと、不思議そうに言った。




「……あたしはね、夏希に〝大好き〟って言ってもらえるような、人間じゃない、の」