「今の玲汰先生だって十分紳士だと思うけどね」
「……てめぇ、調子乗ってんのか」
「えー?本当のことを言っただけだよ」
「……あっそ」
玲汰先生は諦めたようにそう言うと、彼の身体に支えられて半開きになっているドアを押して全開まで開いた。
そして、あたしの方を向くと、
「……もう限界」
とだけ言う。
それで全てを悟ったあたしは、ドアを押さえる玲汰先生の隣を通って玲汰先生の家の中に入って行った。
リビングに入り、あたしと玲汰先生はソファに腰掛ける。
時計は、午前3時を指していた。
「……で?今日はなにがあったんだ?」


