午前3時、先生のカオ。














 その体勢のまましばらく玲汰先生の家の前にいると、


「……さむっ」

 玲汰先生は体をブルッと震わせた。



 あたしはいきなりのことに驚いて、そっと玲汰先生から離れる。



「………あっ」


 離れた時初めてきちんと見た玲汰先生は、薄い長そでのTシャツに短パン姿で、長そでの袖は織ってあった。

 しかも、よく見たら髪も濡れていて。



「……お、お風呂上がりですか?」


「……お風呂上がり、だった」


「……ごめんなさい」



 いくら気づかなかったとはいえ、すごい罪悪感を感じる。

 気づこうと思えば、抱きしめられていた時に「服が薄いな」とかなんとか気付けただろうから。




「……別に。だってお前、泣いてるじゃん」


 玲汰先生の言葉に、思わず目を見開く。


 ……ああ、そうだった。



「……玲汰先生って、意外と紳士だよね」


「はっ?いつの俺と勘違いしてんの?」



 玲汰先生はそう言ってとぼけるけど、絶対にそうだ。


 学校での玲汰先生は紳士そのものだけど、本当の玲汰先生だって結構な紳士。

 そう確信したあたしは、クスッと小さく笑う。



 一番最初にこの家に訪れたときも、確かそう思った気がするな。