午前3時、先生のカオ。






「……いや、別に」


「……なんか飲む?」



 先生はそう言いながら、煙草を灰皿に押し付けた。



「……うん」


「なにがいい?」



 先生は、あたしを見た。


「なにがあるの?」


「……コーヒーと、牛乳と、お茶と、水」


「………カフェオレ」


「了解」



 そう言って先生は、キッチンの収納棚の引き出しを開けた。

 そして、そこからコーヒーを取り出す。



「……なに突っ立ってんの?」


 ぼーっと先生を見つめていたあたしを、先生は冷たい目で見た。



 怒ってるとか、迷惑してるとかじゃないと思う。

 いや、迷惑かもしれないけど。


 元々、そういう目なのかもしれない。

 そういう表情しかできない気がする。


 ……学校以外は。



「あ、えっと……」


「そんなとこに立たれたら、邪魔。手伝うなら別だけど」


「いや、手伝わない」