二人のことでモヤモヤする心を、晴らしたい。

 それだけのことだった。



 たまたま宮城先生の家を知ったあの日以来、一度も宮城先生の家に行ったことはない。


 行く気だってなかった。

 だって、なんだかストーカーみたいじゃない。



 でも、今日だけはいいよね?


 宮城先生の家に千夏が行っていないことを確認するだけ……だから。






 元々、あたしが二人の関係を疑ったのは、鍵がきっかけ。



 『自分の』と言った宮城先生。

 それを持っていた千夏。


 二人の言い分が本当なら、あの鍵は〝合鍵〟ってことになる。

 だから、もしかしたら千夏は、宮城先生の家に通っているのではないか。


 それが、あたしが考えに考えて出した結論だった。



 今日、本当にそうなのか確認するため、宮城先生の家に行く。




 もし今日宮城先生の家に千夏が来ていないことが分かったら。

 その時は、二人のこと信じるって決めているから。


 心にかかる黒い雲も、取り除いて。

 全て、あたしの勘違いだと思うから。