2年に進級したばかりの頃。


 店長と喧嘩したから今はもう辞めたんだけど、バイト先から帰る途中、あるマンションの前を通ったんだ。


 そうしたら、

『はぁ………』

 なんていう大きなため息が近くから聞こえてきて、あたしはつい、そっちの方を見てしまった。



『あっ……』


 それが、宮城先生だった。



 いつも笑顔の宮城先生でも、ため息を吐くんだな。


 宮城先生の新たな一面を知り、あたしは何故か、もっと宮城先生のことを知りたいって思ったんだ。




 だから、あたしはそのままゆっくりと宮城先生の後ろをついて行き、宮城先生の家を知った・・・ー-



















「今日だけ、だ」


 自分に言い聞かせるように何度もそう口にしながら、宮城先生の家を目指す。