~美和side~
あの日から、ずっとずっと気になっている。
心に、なにかがつっかえている。
宮城先生と、千夏の関係。
どれだけ考えてみても、想像してみても、なにも分からない。
千夏は、あたしの知らないところでなにをしているの?
宮城先生と、どんな関係なの?
「……なんか、嫌になっちゃうなぁ」
あたしはそう呟くと、椅子から立ち上がってコートを羽織る。
「……今日だけ。今日だけは、いいよね」
携帯を手に取ると、あたしはゆっくりと部屋を出て行った。
実はあたし、宮城先生の家を知っている。
それは、いわゆる〝偶然〟だった。