リビングには、
少し大きめのテレビが一台、テレビ台に乗っている。
あとは、小さいテーブルが一つ、長いソファが一つ。
奥に、一つだけドアがあった。
……以上。
片付いているからか、生活感が全くない。
けど、黒で統一されている部屋は、カッコいいし、清潔感がある。
「……先生、ここに住んでるの?」
標識は【宮城】だったけど、住んでる気配がなさすぎる。
「なに言ってんの?当たり前だろ」
「生活感ないんだけど……」
「男の一人暮らしなんてこんなんだろ」
先生はそう言うと、あたしを避けて、リビングを通ってどこかに行った。
「……ぶぉぉぉぉぉ」
換気扇の回る音が聴こえた。
……多分、先生が行ったのはキッチンだろう。
あたしの足が、自然と先生の居る方に歩いて行った。
「……なんだ?」
先生は、換気扇の下で煙草を吸っていた。


