今まで抱えてきた苦しみを、この気持ちを、壊されるような気がして。
あたしは、楽になってはいけない。
だから、そんなこと言わないで。
夏希、貴方はあたしを恨まないといけないのよ。
夏希があたしに手を伸ばす。
駄目。
そんな綺麗な手で、あたしに触れないで。
そんな綺麗な瞳で、あたしを見ないで。
あたしの身体に夏希の手が触れようとした瞬間、あたしはその手を払った。
「や、めて……こんな言葉、欲しくない。思ってもいないことを、言わないで。」
「お姉ちゃん、違うよ。あたしは……っ」
「駄目。お願いだから、止めて」
あたしの頬に、涙が伝った。
「っ……」
夏希の手が、払われたまま止まっている。
「夏希、あたしを恨んで」
「嫌だよ、そんなの」
「駄目、あたしが殺したのよ」
「だから、違うって」
「そうなのっ!!」


