まるで、仲が良かったころのあたし達のように。
穏やかな時が流れていく。
それが、怖かった。
「……そうだ、お姉ちゃん。今日はね、お姉ちゃんに言いたいことがあって……」
困惑しているあたしをよそに、夏希が嬉しそうにそう言いながら、あたしに近づく。
なにがどうなっているのか、この前とは全く違う夢に驚きながら夏希を見つめた。
「あたしが死んだのはね、お姉ちゃんのせいじゃないよ」
ードキッ
胸が重く痛く、脈を打つ。
止めて。
心の中でそう呟いた。
あたしのことを恨んでいるんでしょう?
嫌っているんでしょう?
こんな気休めの言葉なんて要らないよ。
優しい言葉を、掛けないで。
「確かに、お姉ちゃんのために死んだ。でもね、それはあたしの意思。お姉ちゃんはなにも悪くない」
ただ、怖かった。
最低なあたしを、夏希が、あたしを恨んでいるはずの夏希が、優しく宥めるのが。


