午前3時、先生のカオ。








「玲汰先生のことで悩んでるんでしょう?」


「……え、どうしてそれを」


「お姉ちゃんのことなら、なんでも知ってるよ」



 可笑しいな。

 夢の中なのに、夏希が玲汰先生のことを知っていることに驚いてしまっている。




「……ねえ、お姉ちゃん。お姉ちゃんには、後悔してほしくないの」


「なにを、言ってるの?」


「いい加減、気付いたら?」


「だからなにを……」



 夏希は何故か、あたしを責めない。

 普通に会話をしているかのように、話をしてくる。




「……お姉ちゃん、目を背けないで」


 夏希のその言葉に、あたしは驚きを隠せなかった。



 なにから目を背けているって言うの?



「あたし、夏希のこと……」


「あたしのことじゃ、ないよ。玲汰先生のことだよ」



 夏希はあたしの話を遮って、そう言った。



「玲汰、先生のこと……?」


「うん、そうだよ。お姉ちゃん、本当は気づいてるくせに」




 夏希は嬉しそうにふふっと微笑んだ。