家の前とは違い、玄関は結構広い。
しかも、綺麗。
「おい、上がれよ」
「あ、うん」
ちょっと家を観察していると、先生にそう言われ、あたしは靴を脱いで、家に上がった。
振り向いて、靴を脱いでいる先生を見る。
先生は、こちらを見ずに、
「まっすぐ行ったところがリビングだから。先、行っとけ」
と、言った。
「はーい」
あたしは先生から目を離し、前を見る。
ちょっと奥に、ドアがあった。
ここかな……?
あたしはそこに向かって歩いて行った。
この家、白いなぁ。
壁紙が白で、余計に綺麗に思える。
ドアの前まで来たあたしはドアノブをひねった。
そして、リビングらしき部屋に入って行く。
玄関の方から、先生らしき人の足音が聴こえてきた。
と同時にリビングの中を見たあたしは、驚いて固まってしまった。
だって、だって……
「なに、これ……」
「うわっ、そんな入口に立ってんなよ」
そう、リビングに入ってきた先生は言ったけど、仕方ないと思う。


