「……はぁ」
玲汰先生は呆れた様に、ため息を吐く。
「……まあ、見つかって良かったわ。これからは気を付けろよ」
その言葉に驚いてゆっくりと目を開くと、玲汰先生が鍵をあたしに差し出していた。
「えっ……いいんですか?」
てっきりもう来るなとでも言われると思っていたあたしは、玲汰先生の予想外の言動に拍子抜けした。
「……ああ」
玲汰先生は素っ気なくそう言ったけど、その言葉が嬉しかった。
あたしは笑顔になって、その鍵を受け取る。
「じゃ、俺もう行くわ。昼飯まだだし」
玲汰先生はそう言うと、あたしの隣にあるドアノブに手を置いた。
ん?可笑しくない?
「え、それだけ?」
「ああ、それだけだ」
「あたしもまだ昼ご飯食べてないしっ!」
なんという自己中さ。
ほんの少し玲汰先生にイラッとする。
そんなあたしに玲汰先生は念を押すかのように、
「もう失くすなよ。これ以上、馬鹿の世話はしたくないんだ。」


