「ねえ、千夏。駅前に新しいカフェ出来たの知ってる?」
美和がウインナーをフォークに刺して振った。
あたしはご飯を一口。
「ああ、そんなの出来たね」
「ねえっ!今日そこ行かない?」
美和は、何故か少し身を乗り出し目をキラキラ輝かせながら言ってきた。
まあ、美和がそういうの好きなのは知ってるけど。
「……いいよ。行こっか」
あたしはそう言いながら微笑んだ。
「やたっ♪」
美和は嬉しそうに微笑んで、ピースサインをした。
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放課後。
あたし達は駅前のカフェに行った。
少し小さめのそこは、新しいはずなのにアンティーク調だからか少し古さを感じさせていた。
流れる音楽もどこかで聴いたことのある懐かしい洋楽だし、店内いっぱいに漂うコーヒーの香りも優しくて、すごく落ち着く雰囲気だ。
だからか、二人ともそのカフェをすぐに気に入った。
「ねえ、何頼むー?」