~玲汰side~



 静かに、彼女の頬に涙が伝った。

 何かを思い出しているようだ。







 何故か中々寝れなくてリビングへ行こうとした時、リビングから漏れる明かりに気付いた俺は、足を止めた。


 そっとドアを開けて覗いてみれば、林田が泣いていて。




 林田がよく呟く、〝夏希〟という言葉。

 誰かの名前だっていうのは想像できるけど、他は全くだ。



 なあ、林田。


 お前は、なにを隠してるんだ?

 何のせいで苦しんでるんだ?





 泣き続ける林田を見つめながら、俺は林田と自分の姿を重ね合わせた・・・ーー