それこそ、違う。
あたしはただあの場にいたわけではない。
夏希を『死ね』と言いながら首を絞めていたのは、あたし。
醜い嫉妬を浴びせたのは、あたし。
夏希が死んだ原因は、あたしだったの。
「……違うよ。本当に、あたしが殺したの」
ぐっと、唇を噛み締めた。
あの時あんなことを言わなかったら、夏希は今も無邪気な笑顔をあたしに向けていたはず。
あの時あんなことをしなかったら、夏希は今もここにいたはずなんだ。
後悔の渦に、あたしは呑み込まれてしまって、息ができなかった。
抱えきれない想いが、勝手に溢れ出した。
「……ねえ、知ってる?夏希が、死んだ理由」
俯いたまま、静かに口にする。
父も母もその言葉を聞き戸惑ったように黙ってしまい、時計の針の音だけが妙に煩く聴こえる。
そっと、息を吸い込む。
夏希が吸えない、空気を。
「……あたしがね、『死んで』って言ったからだよ」
「「っ!」」
そんな、声にもならない音が聞こえた。
母が、手で顔を覆うのが見えた。
「う、そ……だろう?」
父の困惑したような声に、首を横に振った。


