「分かんない」
「……だから、お前が見てんのは仮面被った俺なの!」
「え、あれが先生じゃないの?」
「先生だからああいうキャラだけど、本当の俺はあれじゃない。」
……え?
ああ、そっか。
「……はぁぁぁぁぁ!?」
やっと意味が分かったあたしだけど、違う意味で驚いて声を荒げる。
「……うるせぇ」
先生は耳を手で塞いだ。
え、でも……。
じゃあ、さ?
「なんで今は素なのさ?」
あたしはそう訊ねた。
だって、あたしは生徒なんだよ?
なんで素を出せるんだろうか?
「ああ……。面倒臭いから」
先生は平然と、そう言い放った。
「だ、だったら仮面なんて被らなくていいじゃん!」
声が震える。
だって、驚いてるんだもん。
先生だったら、そんなんでもモテると思うよ!?
そう思って言うと、先生は更に爆弾投下。
「いや、他の先生が怒るじゃん?もっと生徒を見ろって。そっちの方が面倒臭い」


