*ティアラ*



私たちは顔を見合わせて、同時にため息。


同じクラスのサッカー部の男子たちが、こっちを見ながらコソコソと隠れて笑ってる。


「そこー、何笑ってんのよ!」


私が言うと、クラス中が大爆笑し始めた。


男子20人、女子20人のうちらのクラスは、サッカー部が男子の半数を占めている。


でもサッカー部だけが仲いい訳じゃなくて、うちのクラスは女子も男子もみんなが仲良しだ。


まだ笑いの止まらないサッカー部に対して


「こうなったらサッカー部も道連れに…!」


なんて亜美子がこわいこと言い始めた。


それがおかしくて、私は小さく笑う。


「早く練習行かないと道連れにされちゃうよ!」


っていう私の忠告に


「よし!練習行こうぜ!」


って一人の男子が言って、次々にサッカー部は教室を去っていく。


その後ろ姿が羨ましい。


「花!亜美子!帰ろう?」


職員室に用があると言っていた潤(じゅん)が戻ってきた。


カバンを肩に掛けてニコニコしてる。


「潤、ごめん。うちら帰れない。おじいちゃん先生に居残り補習させられることになっちゃった」