「ありがとな」
嬉しそうに笑う信璃。
その顔に、一瞬ドキッとしてしまった。
笑う顔は何回か見てた。
それなりにはかっこいいかなって思っていた。
今の笑顔は今まで見てきた中で一番かっこよかった。
本当に信璃はかっこいい。
そう初めて思った瞬間だった。
信璃の彼女はいつもこんな笑顔を見てるんだろうな・・・
「未羅は卓球部に入るのか?」
信璃にそう言われ、我に返る。
な・・・何を考えてるんだ私は。
「えっ!あ、たぶ・・・」
「未羅!」
体育館から昇が出てきた。
「あ、ごめん!!置いてきちゃって」
あの時は早くその場から逃げ出したい一心だったから昇のことを忘れていた。
